
2025年11月20日
オリンピックシーズンとなる今季、10/25(土)の女子のGSからオーストリアのSOLDENスキー場のレッテンバッハ氷河から恒例のスタート。
昨シーズン圧倒的な強さを誇った、イタリアのFederica Brignoneが4月の国内の選手権で負ったケガの回復が遅れ欠場。更にマテリアルチェンジ(青組/サロモン→白組/ヘッド)を行い、個人的に注目していたMarta BASSINOも直前のトレーニングのケガで戦線離脱。
今季で引退表明をしているWC通算45勝スイスのLara Gut-Behramiと、昨シーズン開幕直後の大ケガから復帰したWC通算101勝アメリカのMikaela Shiffrinに、急斜面を得意とするニュージーランドのAlice Robinsonがどの様なレースを展開するか・・・
結果はご存じの通り、オーストリアのJulia Scheib、昨年度SOLDENのGSで3位が唯一のポディウムの中堅選手が安定感抜群の滑りでトップ選手達を抑え母国で初優勝!!
オリンピックイヤーになると俄然力を発揮するアメリカチームが、トップ10に5名を送込む強さを発揮。
日本選手のエントリーは無し。今後に期待したい。
翌日26日(日)男子GSには、好調が伝えられていた若月隼太選手は事前トレーニングで負傷した為、加藤聖五選手が期待の膨らむ34番スタートをゲット。片山龍馬選手は63番スタート
昨季、感染症の為シーズンを棒に振ったAleksander Aamodt KILDE(ノルウェー)は夏の南米トレーニングも好調との事だったが、エントリーは無く北米シリーズ高速系レースから復帰となる模様。
スイスのMarco Odermattが本命中の大本命の中、オーストリアのManuel Fellerは腰痛で調子が上がらず、個人的には爆発力のあるクロアチアのFilip Zubčićと、ここ最近安定感を増したスイスのLoic Meillard に期待。
降雪に濃霧に風の影響でスタート地点が下げられ、GSとしては短い60秒を切るレースに。
ローカルレース張りに荒れたコースの中で安定感を見せたのが、かつての名手Benjamin Raich(オーストリア)の後継者と唄われて久しいMarco Schwarz。2本目はややタイム差が広がったものの前日の女子に引き続き、母国のレースでポディウムを獲得。
タイム差以上にMarco Odermattの圧倒的な底力の強さを見せ付けられたレースだった。
今期もSL以外の種目でレッドビブを独占しそうな気配が・・・
3位には2本目ジャンプアップしたノルウェーのAlte Lie McGrathが入賞。チームメイトのHenrik KristoffersenやTimon Hauganと並んでエース的な存在に成長。
加藤選手はスタート直後に大きなミスを犯した影響でタイムをロスして2本目進出ならず。片山選手も残る事が出来ず残念な結果に。
45番スタートのAndreas ZAMPA(スロバキア)が28位に! ZAMPA兄弟の息の長さに改めて感動。
SLの開幕戦も女子から、11/15(土)のフィンランドのLEVIスキー場で開催。
Mikaela ShiffrinがLEVIで得意のSL9勝目・WC SL通算64勝目 WC通算102勝なるかと、この2シーズンで大躍進したスロベニアのZrinka Ljutićが何処まで食らいつくかに注目。
日本からは、エース安藤麻・前田知沙希・渡邉愛蓮の3選手がエントリー。
結果は1本目でMikaelaが他を圧倒し、2本目も更にタイム差をつけ圧勝。またまた歴史に名を残す事に。
2着には若手NO1アルバニアのLara COLTURI。WCに鳴り物入りでデビューしたものの、ケガ等の不運に見舞われていたが今季は身体も大きくなり、滑りもよりパワフルに! 次世代エースとしての爆発力が非常に楽しみな選手に成長。
日本勢は安藤麻選手が1本目34番スタートから16位へ滑り込み、2本目に期待が高まったもののトータル26位とランクを上げる事が出来なかったが、初戦でポイントを獲得出来た事は非常に大きい。
アメリカのPaula MOLTZANも近年の安定感が半端なく、開幕戦GS2位 SL4位と好調アメリカチームのセカンドエースとして注目したい。今季は爆発するかも!
11/16(日)は男子SL。日本からは小山陽平選手が54番でエントリー。
スポンサーとの問題で、一度は引退した後ノルウェーから国籍を母親のブラジルに移籍して2シーズン目の
Lucas PINHEIRO BRAATHENが1本目トップに。30番以降の選手が続々と順位を上げてくる中、小山選手も21位と大躍進2本目に駒を進める。2本目も途中まではかなりのペースでレースを進めるが、ゴールを目前にして、あわやコースアウト!!のミスがありジャンプアップとはならず28位という結果に。
日本勢は残念な部分もありながら、男女ともにポイントを獲得した事は大きな成果。
2本目のLucas PINHEIRO BRAATHENは北京オリンピック金メダリストのフランスClément Noëlに更に差を付け圧勝。アルペンスキー史上初のブラジルがWCの勝利!!
久々に開催国フィンランドのEduard HALLBERGが3位入賞で初ポディウム。
男子のSLは今季、激戦になる気配が・・・
開幕戦と言えば選手の仕上がり具合と並行して、新たなマテリアルの登場も楽しみの一つ。
GSは女子190㎝、男子196㎝と市販では無いサイズを使用している選手も多数。
SLは女子もコースによっては160㎝台を使用していたり。
ブーツもインサイドの立上りや、ヒンジポイントや同じブランドでも、D冠と魚の骨形状のタイプが存在していたり高速系では良く見かける、カーボン素材を背面に取り付けている選手が増えたり。
スキーはV社やF社の選手が激減。ブーツはD社が激減。
はたまたF社とV社にL社のブーツ使用の選手がいたり。
ロゴのマークで問題になった鹿のスキー使用の選手が増えたり。
今季は、板メーカーと異なるブランドのバインディング使用する選手が激増!! 初期製造から25年以上を超えて尚トップシーンで活躍するバインディングの実力に脱帽。
2シーズン前からスイスのLoic Meillardが唯一使用していたプロトタイプのバインディングが、市販レベルに仕上がりそれなりの数の選手が使用していたのもインパクトあり。
数あるバインディングの中から、あるメーカー(システム)が多くの選手に選ばれるのか、その理由はカンダハー各店の店員にお尋ね下さい。
ポールとプロテクターはVOLAが躍進。ONE WAY程では無いにしろ使用率がアップ。
グローブはLEVELブランドが多くなって来た気が。
ドイツチームのオーバーウェアのカラーとデザインも一新されてインパクト大、フィンランドの選手がハルチウェアを纏っている姿が久々に見られたり、見どころ沢山の開幕戦。
そして今週は、オーストリアのGurglで男女のSL第2戦が!!
オリンピックシーズンの今季、各レースから目が離せない!!
JAPANチームも頑張れ!!